続倉敷珈琲物語 第51話「送られて来たヒント!」
倉敷の地で最初に珈琲を飲んだのはいったい誰だろう...?
それは、どこで...?
岡山では明治3年(1870年)ロイトル・ボードウィンの
通訳「大原利謙」が最初の珈琲飲みだった...
倉敷ゆかりの石坂桑亀が長崎でシーボルトと珈琲を飲んだ
であろう年は1823年であった.....
それから20年 県北の地ですごした後1842年.石坂桑亀は
倉敷へ転居してくる。しかしそんな長い間珈琲を保管して
いて倉敷へ転居する際に持ってきたとは考えにくい............
倉敷中央図書館の郷土資料を片っ端から読みあさっても、
珈琲の事など何も出て来ない.....
途方に暮れかけていたとき、一通の茶色い封書を郵便受けに見つけた!
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前略
倉敷のコーヒーの歴史に関してご調査のためご来館がありましたが、明治から大正にかけて、さしたる記録がございません。
郷土史家に尋ねましたら、明治20年代、岡山の『中川横太郎』がキリスト教の布教に来倉していますので、そのころかと言います。
しかし、これも外人の牧師を同伴していたであろうからというだけで、記録はありません。
そのころ、山陽線は倉敷まで来ていますから、神戸も東京も行ける訳で、それを言うなら若くして東京へ遊学した大原孫三郎のほうが可能性はあります。
しかし、彼の上京は明治29年か30年頃ですから、それより前の人がいたはずです。
お答えにはなりかねますが、中間報告いうことでご了承下さい。
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倉敷中央図書館の方からの丁寧な報告書
初めて図書館を訪れた時、調べて見ると約束していただいた方からだった。
ありがたい! 何から探ればよいか、闇夜の中で一筋の灯りを見つけた気分だった...
やはり、当時の倉敷に珈琲を持っている日本人がいるはずもなく、外国人が持ち込んだ珈琲を興味津々で体験したと考えるのが自然だろう...
では、倉敷に最初にやってきた外国人は誰だろう?
何のために?
手紙に書いてあったように、布教のためにというのが、当時外国人が日本の地方を訪れる唯一の目的だったのかもしれない。
それと、中川横太郎...いったいだれだろう?
中川横太郎(なかがわよこたろう)
1836〜1903(天保7〜明治36)
岡山市番町の人
明治時代の実業家、教育事業家
1872年(明治5)学区取締となり、県内小学校新設に尽力。
また、岡山県病院の充実や医学校(現岡山大学医学部)の設立にも力を注ぐ。
官吏としては、美作血税一揆や地租改正反対闘争に、得意の弁舌で事態を収拾。
のち、県を辞し自由民権運動やキリスト教布教に従事、金森通倫や新島襄らとも親交を深める。
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この中川横太郎が連れてきた外国人とはいったい誰だろう?
医者? それともやはり宣教師?
珈琲を飲んでいたのかな?
そんな記録が残っているのか?
『キリスト教』『宣教師』をキーワードに、もう一度、岡山と倉敷の郷土資料館で調べて見よう!
そして、倉敷のキリスト教会へも取材に行って見よう!
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倉敷中央図書館の方には本当に親切にしていただきました。
改めてここにお礼を申し上げます。
文化都市倉敷のことだから簡単に見つかると思っていた倉敷の珈琲物型でしたが、思わぬ苦戦を強いられ、「珈琲」という文字を探す旅はまだ続くのでした...