続倉敷珈琲物語 「百年の時を超えて」

鄭永慶先生のお墓探しの実話をエッセーとしてまとめた「百年の時を超えて」ご覧ください... - 百年の時を超えて 「えーと、その墓地なら、たしかデニーウエイを・・・そう、この道です。これを東にこう真っ直ぐ行った、大体ここらあたりにあるはずですよ・・…

続倉敷珈琲物語 「旅のノンフィクション大賞 その4」

2002年11月22日の読売新聞に受賞者の発表と同時に、審査員の講評が掲載されました。 とっても嬉しい評価をたくさんいただきました。特に黒田福美さんの涙してくださったというコメントは嬉しかったです〜!その受賞で、さらなる展開が待っていようと…

続倉敷珈琲物語 「旅のノンフィクション大賞 その3」

ちょうど一年前のお正月休みに、この続倉敷珈琲物語を書いてみようと突然思い、5月ごろまで頑張って書いたのですが、そのころから仕事が忙しくなり、ついつい横着になってとうとう年を越してしまいました。 ああ、このままこの続倉敷珈琲物語を書くこともな…

続倉敷珈琲物語 「旅のノンフィクション大賞 その2」

「書いてみるか...」とは思ったものの、エッセーなんて書いたことがないエッセーってどうやって書けばよいの?ノンフィクションだから事実じゃなければならないわけだし... というふうに、いろいろと思いはめぐるのだが、一向に筆が進まないでもやっぱり伝え…

続倉敷珈琲物語 「旅のノンフィクション大賞」

鄭永慶のお孫さんである福永さんとの不思議な出会いから数か月たった、お盆をあと数日後にひかえた8月11日の日曜日私は妻と昼食をとりに行きつけの蕎麦屋に出掛けた信州そばとして有名なそのお店がなぜか閉っていた...日曜なのに...車で30分ほどの距離を走っ…

続倉敷珈琲物語 「奇跡的な出会いのいきさつとは...?」

美味しいフランス料理をいただきながら、この不思議な出会いへの道のりを楽しそうにお話しいただいた。そのお話によると... 鄭永慶のお孫さんの福永さんは、長年にわたっておじいさんの行方を捜していたが、アメリカのことでもあり、なかなか難しくてほぼあ…

続倉敷珈琲物語 「永慶先生のお孫さんと語らえるなんて!!!」

「はじめまして、鄭永慶の孫(長男の長男)でございますという文章が件名に入ったメールをドキドキしながらクリックすると、そこには次のようなことが書かれていた。 自分は鄭永慶の孫であること永慶のシアトル行きは知っていたが、消息などはわからず、高齢…

続倉敷珈琲物語 「鄭永慶の孫でございます」...思いがけないメールが届いた

倉敷珈琲物語のエピローグを書いたのは、今から10年前の5月でした。長い長い、2年半にも及ぶコーヒーロードの旅でした。物語を完成させたとき、この長い旅にお付き合いいただいていた多くの読者の方々から、完成のお祝いメールをいただき、感激したことをよ…

続倉敷珈琲物語 「喫茶店の日 可否茶館 開業123周年記念会」

昨日の喫茶店の日に、日本最初の本格的な喫茶店「可否茶館」の創業跡地であり、2008年に記念碑が建立された場所(現在の三洋電気東京ビル)にて、可否茶館開業123周年記念会が開催されました。いつも、会場としてご協力いただいております三洋電気さんには心…

続倉敷珈琲物語 エピローグ

「よかったら、おかわり言ってくださいね...うちは、遠慮いらないですから...」「すいません、急にお邪魔して...ありがとうござます」ベルビューは、シアトルダウンタウンから車で約20分ほど東へ走ったところにある美しいベッドタウンシアトルダウンタウン…

続倉敷珈琲物語 第59話「やっと会えましたね」

日本最初の本格的コーヒーハウスの設立者、鄭永慶先生のお墓を探しにシアトルまでやってきた今、こうして珈琲を楽しめることに対し、先生に感謝の意を捧げるために.....偶然が重なり、多くの人に助けられ、とうとうここまでたどり着くことができたあと少し、…

続倉敷珈琲物語 第59話 「名簿」

「レイク・ヴュー墓地へ行きたいんです。どうやって行けばいいか教えていただけますか?」と、英語で言ったつもりだった 「墓地...?」 えっ? といった顔で、フロントの若いホテルマンが訊き返してきた 「そう、レイク・ヴュー墓地。知ってる?」「う〜ん..…

続倉敷珈琲物語 第58話「出会い...」

「Hello....」以外にも電話から聞こえてきたのは女性の声だった。「あっ、もしもし」 ちょっと驚きながら、思わず日本語が出てしまった...「あ〜もしもし」 と、相手も日本語。 よかった、日本語が通じる。「もしもし、あの〜横田さんのお宅でしょうか? 日…

続倉敷珈琲物語 第57話「シアトルへの想い...」

「それにしても、いい写真が手に入ったねぇー」喫茶ナポリの写真を手にしながら、ルモンドおじさんは続けた...「とりあえず、こうして倉敷の珈琲の歴史もわかったことだし、長かった珈琲ロードの旅もこれにて終了かい?」 「本当はもう少し、詳しく調べたか…

続倉敷珈琲物語 第56話  「喫茶 ナ ポ リ 」

「倉敷の珈琲の歴史を調べてるんです...」 初めて入った喫茶店「サロニカ」で、私がこうして話し始めるまでには、いすに腰掛けてからおよそ20分ほどが過ぎていた..楽しそうに語らう常連客と店主の会話を、聞くとはなしに聞きながら、初めて入ったこの店の…

続倉敷珈琲物語 第55話「昭和3年...喫茶店二...!」

倉敷で最初の喫茶店はどこにあったのだろう? なんていう名前の店だったのかな?さらには、岡山での「カッフェー・ブラジル」のように、みんなに愛され、時代のエポックメイキング的な役割を果たした、倉敷の喫茶店とは、いったいどこだったのだろうか? 図…

続倉敷珈琲物語 第54話「一番のみは、孫三郎? はてさて虎次郎...?」

おそらく倉敷一の有名人? 今でも多くの人々にその偉業の数々が語り継がれている...クラレを創設し、大原美術館を作った人...そう、その名は 「大原孫三郎」 「倉敷の地で最初に珈琲なるものを飲んだのは誰だと思う...?」こんな質問を差し向けると、かなり…

続倉敷珈琲物語 第53話「釣った魚はシャチホコの子だって?」

やっと見つけた資料...「倉敷の文化とキリスト教」その中に出てきた「好事雑報」 文明開化の時代にあって、何か変わったものがあれば、たとえ草木であれ、動物であれ、旧蹟であれ、それをただし、考証をなし広く報知するのが 「好事雑報」の趣旨であった。 …

続倉敷珈琲物語 第52話:「倉敷の文化とキリスト教」

図書館の方からいただいた貴重なヒント...「中川横太郎」「キリスト教」・「宣教師」というキーワードを探るため、まず向かったのは、倉敷キリスト教会だった。21世紀を間近に控えたその日は、さわやかに晴れ渡り、凛とした冬の空気が心地良い最高の取材日…

続倉敷珈琲物語 第51話「送られて来たヒント!」

倉敷の地で最初に珈琲を飲んだのはいったい誰だろう...?それは、どこで...? 岡山では明治3年(1870年)ロイトル・ボードウィンの 通訳「大原利謙」が最初の珈琲飲みだった... 倉敷ゆかりの石坂桑亀が長崎でシーボルトと珈琲を飲んだ であろう年は1823年で…

続倉敷珈琲物語 第50話「シーボルト先生の珈琲販売論」

倉敷ゆかりの「石坂桑亀」は、洋学を学ぶため1823年長崎へ赴き、シーボルトの鳴滝塾の門下生となった。 日本にコーヒーを持ち込んだオランダ人がいた出島なら、そこを訪れた日本人がコーヒーを体験する可能性が高いと言える。 そこで、シーボルトとコーヒー…

続倉敷珈琲物語 第49話「とうとう倉敷まで帰ってきたよ!」

倉敷のクライアント様の思いからスタートした珈琲ロードの旅でした。 書き始めた時にはまさかこんなにも長い旅になろうとは思っていませんでした。 とうとう倉敷まで帰ってきました。もう少しでゴールです。倉敷の珈琲物語は、旅を思い立った喫茶店から始ま…

続倉敷珈琲物語 第48話「岡山メーデー事件 in カッフェー・ブラジル!」

大正11年5月1日岡山で最初の本格的喫茶店「カッフェー・ブラジル」が、その名を全国へ轟かす事件は起こった。 マスコミを通じて全国の人々にその名を知らしめた喫茶店としては、おそらくこの岡山の「カッフェー・ブラジル」が日本で最初ではなかろうか?…

続倉敷珈琲物語 第47話「カッフェー・ブラジル」

「たしか、このあたりだったんじゃが...?」「いいや、もっとこっちのほうじゃったろう〜」「いやいや、ぜったいここじゃった! ちょどこの辺が入口じゃったんじゃ!」こんな、やり取りが聞こえてきそうな、ある1枚の写真をみつけました。『おかやまを語る-…

続倉敷珈琲物語 第46話「岡山ドリルクラブ」

岡山で最初の喫茶店は「広瀬ミルクホール:明治40年」ということがわかった。 しかし、岡山にコーヒーが紹介された明治3年から、37年もの長い間庶民に全く コーヒーが普及しなかったとは思えなかった。 少なくとも、喫茶店としてではなく食堂のような形態で…

続倉敷珈琲物語 第45話「岡山最初の喫茶店...?」

倉敷で最初の喫茶店を探す前に、まず岡山県での最初のエポックメイキング的な喫茶店はどこだったのか調べることにした私は図書館に通いつめ、図書館司書の方々に大変お世話になりながら真相を追い求めました。 - 『カフエー発祥の地 内山下思い出すまま...』…

続倉敷珈琲物語 第44話「大原利鎌か大久保利兼...はたまた大原利謙?」

今日の広島は冬に逆戻りして、今、外では雪がちらついています。 思い出せば、この第44話に関する調査を行ったのは2000年夏、8月の暑い日でした。 そしてこの8月末から日本最初の本格的喫茶店の創始者「鄭永慶」さんを偲んで、シアトルへ取材へ行ったことを…

続倉敷珈琲物語 第43話「岡山一番のコーヒー飲みじゃ!」

岡山には、明治3年にコーヒーを飲んだ人がおるんだ。大原利鎌という老人で池田家事務所に勤めておられたが、若い頃蘭学が達者だったので、東山へできた岡山県医学校の教師に迎えた和蘭人ボードウィンの、通訳を命ぜられたのである。その時分に、宿舎になっ…

続倉敷珈琲物語 第42話「玄随が初めて飲んだのは珈琲ではなくて...」

「少しお待ちくださいな、今、蔵書目録を見てみますんで...」と、電話口で津山洋学資料館の係の方...「すいませんお待たせしました。残念ですが、うちには西賓対語は見当たりませんなあ〜」「どこに行けば西賓対語を見せていただけるか、お分かりになりませ…

続倉敷珈琲物語 第41話「歴史が変わる.....?」

前回のあらすじ...宇田川榕庵が日本で最初の珈琲に関する文献「哥非乙説」を著わしたことを突き止めたタカシとラッキーは、榕庵がいつ、どこで、どのようにして珈琲を飲んだのか、さらに調査を続けた。そしてとうとうオランダ人ツンベルグが残した、「ツンベ…