2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

続倉敷珈琲物 第15話 「現存する最古の喫茶店!それはかの有名なフローリアン でも、本当の名前は違っていた...?」

「ねえラッキー。ここはどこ?いつの時代?」大勢の人で賑わう美しい広場に私は来ていた。 「時代は1720年、サン・マルコ共和国の中心サン・マルコ広場ですな。ほら、あそこのコーヒーハウスの玄関に看板を掲げようとしている男がいてるでしょう...。あ…

続倉敷珈琲物 第14話「名犬ラッキーあらわる!?」

アジアとヨーロッパの交差点ここトルコで花開いたコーヒー文化は、まずどこの国へと伝わったのでしょうか?えっ? もうトルコの話しは終わりかって?そりゃ〜トルコには、ぜひ知って欲しい<カッパドキア>や<パムッカレ>など沢山の有名な場所がありますけ…

続倉敷珈琲物 第13話「トルココーヒーの真相」

「トルココーヒー」という言葉を聞いたことがある日本人はたくさんいることと思いますが、その詳細までをご存知の方は少ないのではないでしょうか? 第13話は、その「トルココーヒー」を詳しく語っております。 - バザールで出会ったコーヒー売りのおじさん…

続倉敷珈琲物 第12話「トルココーヒーよりチャイが好き?」

トルコの玄関口「アタクチュル空港」に、私を迎えてくれる人はいなかった。そう、今回はガイドを前もって頼んでおかなかったのだ。 初めてガイド無しでコーヒーロードを旅したくなったからだった。<なんせ、人に頼ってばかりだったもんな〜...>思っていた…

続倉敷珈琲物 第11話「世界最初のコーヒーハウスはどこの国?」

「ムハンマドはたしか5年ほど前、コーヒーの研究家のガイドをしたんだよネ?」アデンからサナアへ向かう自動車の中で私は聞いて見た。 「そうですよ。とてもコーヒーに関して詳しく調べていました。私も興味があったので、いろいろと教えてもらいました。日…

続倉敷珈琲物 第10話「どうして、モカ港はこんなに寂れちゃったの?」

それにしても、ものすごく暑い!「だいたい何度ぐらいあるの?」車から下りて波打ち際目指して歩きながら聞いてみた。「何度ぐらいだと思います?」ムハンマドが笑いながら聞き返してきた。「暑いお風呂に入っている感じ以上だから50度ぐらいじゃない...?…

続倉敷珈琲物 第9話「ヤーバーン・タマーム」

この9話を書いたのは、1999年3月でした。その当時、イエメンの情報は皆無に等しく、どうしようかと散々考えた挙句、思い切ってイエメン大使館に相談したことを昨日の事のように思い出します。大使館の方はとても親切に対応してくださり、多くの資料を送って…

続倉敷珈琲物 第8話「中世の国へタイムスリップなのだ」

昨夜遅く到着した私は、ホテル周辺の建物のことなど全く気に掛けていなかった。 結果的にその事が私の心をこれほどまでに震わせたのであろう。もしイエメンを訪れることがあれば、同じように目隠しでもして旧市街のホテルに泊まり、翌朝早く屋上の扉を開ける…

続倉敷珈琲物 第7話「モカ・マタリの国、イエメン到着」

アラビアと聞いて何を思い浮かべるだろう?幼い頃に読んだアラビアンナイトの世界や、砂漠の中のオアシスだろうか?そんな想像しかできなかった私は、イエメンの首都サナアの旧市外地を見て絶句した。そのあまりの美しさに圧倒され、どうしてもその感動を誰…

続倉敷珈琲物 第6話「月の砂漠の恋物語」その2

どれくらいラクダにゆられただろうか? どんなホテルへ案内されるのかといろいろ想像していたのだが、以外にも案内されたのは、遊牧民(ベドウィン)たちの住むテントだった。彼女の後について中に入るとそこには人の気配はなく、どうやら二人っきりらしい。…

続倉敷珈琲物 第6話「月の砂漠の恋物語」その1

この物語を書くきっかけを作ってくだった社長が抱くいにしえのコーヒーロードは「月の砂漠」だった。 ラクダに揺られながらコーヒー豆を運ぶ光景が目に浮かぶと良く言われていた。 そんなシーンをこの物語の中に取り入れようと悩んだ末に、書いたのがこの第…

続倉敷珈琲物 ちょっと珈琲ブレイク(エチオピアのコーヒーセレモニー)

ここでちょっと珈琲物語から離れて、エチオピアに伝わる「珈琲道」とも言える珈琲儀式についてお話します。日本で普通にお茶を飲むことと正式な茶道とが違うように、エチオピアでも一般的に行われる手軽なコヒーセレモニーと違って、コーヒー道と呼べるよう…

続倉敷珈琲物 第5話「美しき町ハラール」その2

1時間後、私は別世界にいた。「イスラムだ!」 石作りの家々、迷路のように入り組んだ小道を囲むように周壁がそびえ立っていた。 円形の周壁に囲まれた中心には広場があり、そこが乗り合いワゴンの乗り場であった。 その広場から周壁に向かって放射状に5本…

続倉敷珈琲物 第5話「美しき町ハラール」その1

<ラガール駅>--- 「ほっ、本当にこれに乗るの...?」いつか報道番組か映画で見たような光景を目のあたりにして、思わず口をついた。「そうです!でもダイジョウブ。1等席をとってるよ。こっちこっち。」アベベに手を引っぱられながら、<帰りは飛行機にし…

続倉敷珈琲物 第4話「はまってしまったアフリカ料理。その正体は?」その2

コーヒー好きのエチオピアの人々がどんなものを食べているのか、チョット興味あるでしょう? アフリカで最もおいしいと評判のエチオピアの料理を、ここで紹介しましょう。 エチオピアの主食はアムハラ語で「インジェラ」と呼ばれている、クレープの様なかた…

続倉敷珈琲物 第4話「はまってしまったアフリカ料理。その正体は?」その1

アジスに帰った私はさすがに疲れていて、次なる目的地ハラールへの打ち合わせをしようとする元気なアベベの提案をさえぎってしまった。「一日アジスでゆっくりとくつろぎたいんだけど、つきあってくれる?」「OK!OK!、ゆっくり休む大切ね。おいしいもの食べ…

続倉敷珈琲物 第3話「ナチュラルコーヒーとの出合い」その2

「さあ、コーヒーを飲みにレストランへいきましょう。」と、アベベ。いよいよ、原生の地でのコーヒーとご体面である。訪れたレストランは、アベベからレストランと聞いていなければ、それとわからないような薄ぐらい所であった。お願いして厨房を見せてもら…

続倉敷珈琲物 第3話「ナチュラルコーヒーとの出合い」その1

ジンマの町は思っていたよりずっと人通りが多くにぎやかだった。赤茶色の土、裸足の男たち、人と全く同じように堂々と道を歩くロバやかんを両手に持って沢山の食料を肩に担いだ男なにもせずボ〜と遠くを眺めているおじいちゃんたち。チョット見渡しただけで…

続倉敷珈琲物語 第2話「珈琲のふるさとジンマへ」−その2

バスは思っていたより数段高級な、きれいなベンツだった。しかし日本のバスと比べていくぶん小さめである。長距離バスは早朝出発し夕方までに目的地に到着する。前売り券を発行する区間もあるがたいていは当日券を早めに買って席を確保しなければならない。…

続倉敷珈琲物語 第2話「珈琲のふるさとジンマへ」−その1

「ジリジリリ〜ン」けたたましい電話の音。<うるせえなあ〜>一瞬ここがどこなのか判断に迷った。「あっ!」 私は跳び起きた。熟睡したせいか頭は冴え渡っていた。 というより、あせって跳び起きたというほうが正解だった。寝過ごしたのだ。時計をみると11…

続倉敷珈琲物語 第一話「なんでドリフのチョーさんが...?」-その2

今回の私の希望するコーヒーロードの説明を簡単にして、ガイドの依頼をしてみたところ、なんと嘘のような返答が返ってきた。彼は約5年ほど前に私と全く同じ目的で訪れたコーヒー研究家のガイドを勤めた経験があるというのだ。ついている!なんという幸運だ…

続倉敷珈琲物語 第一話「なんでドリフのチョーさんが...?」−その1

安いからと、アエロフロート航空のモスクワ経由を選んだ。アジスアベバまでの直行便が取れなかったので、比較的本数の多いナイロビを経由してエチオピア航空でアジスまで入ることにした。ナイロビからの約1時間40分のフライトでは、しっかり目をさまして…

倉敷珈琲物語(プロローグ)-2

私の住む町は、女性に人気があることで知られる美しい町「倉敷」。行くべき会社の無くなった私が日課のように通う店があった。「ねえマスター! 倉敷で最初にコーヒー飲んだ人が誰か知ってます...?」 ふと気になって尋ねたこんな質問がきっかけだった。「そ…

謹賀新年 倉敷珈琲物語(プロローグ)-1

珈琲の原生地から倉敷まで、どのようなルートを通って珈琲は伝わって来たのか?その道を辿りながら珈琲の歴史と文化を調べながら、ネット上に掲載していく。物語の題名を「倉敷珈琲物語」としたのは、物語という言葉の響きが好きで、多様な広がりを感じさせ…